御承知のように地球温暖化問題への世界的な取り組みは、国連気候変動枠組条約(UNFCCC : United Nations Framework Convention on Climate Change)として国連のもとで議定書や締結国会議(COP)が進められています。
2008年12月にはポーランドでCOP14が開かれました。今年は12月にデンマークでCOP15が開催され、中期(2020年)や長期(2030年、2050年)の温暖化ガスの削減目標値やそれを実現するための国際的な仕組み作りが議論されることになっています。
これに対応して日本でも今年6月までに2020年の中期目標値が策定されることになっています。実施に当たっては経済的にも大きな影響があることから、科学的な根拠に立脚し、かつ経済に重大な支障を与えず、むしろ活性化に繋がるような有効かつバランスの取れたプランで、しかも世界各国の賛同が得られるような目標値が求められています。

私も昨年11月にCOP14の準備会議の一つとして、中国政府と国連が共同開催したハイレベル会議に参加する機会を得ました。この会議のテーマは"先進国の進んだ環境技術をいかにして発展途上国に適用可能とするか"でした。この会議に参加しての感想は、地球温暖化問題がもはや純科学的・技術的な議論にとどまらず、世界の経済的・政治的・外交的な大きなうねりのなかで動いており、先進国の内部での議論では不十分であり、発展途上国の人々にも理解と賛同を得ることのできる説得力のある論理的な説明が求められているということでした。

私たちの"先端エネルギー変換工学"はまさに"最高のエネルギー変換効率の実現により、エネルギー消費の低減とCO
2排出量の削減という環境性と経済性を同時に実現する"ものであり、時代の要請に応えるためにも、一日も早い技術の実用化により世界に貢献する必要があることを改めて感じております。
これらの状況を踏まえ、当部門の第一回の技術フォーラムを"地球温暖化を克服するエネルギー戦略"と題して本年6月12日に開催する予定です。
プログラムが固まり次第、御案内いたしますが皆様の御参加をお待ちしております。