English Page 

研究開発テーマ

B. 石炭利用高度化および拡大のための技術

B-1 褐炭利用IGCCの研究開発(BRIGADIER Project)
 褐炭は膨大な埋蔵量、容易な採掘、ガス化しやすい性状などの利点にもかかわらず、その高水分含有量のため熱効率が大幅に低下し、輸送・貯蔵などの取扱も不利ということで有効利用が進んでいません。今回、"自己熱再生"という斬新なアイデアをもとに熱損失を従来の半分に減らす画期的な高効率乾燥システムを採用することにより、褐炭利用に最適な高効率IGCCシステムを構築します(堤研究室と共同のプロジェクト) 。
B-2 無煙炭利用IGCCの研究開発(ANGUS Project)
 無煙炭はその難燃性のため非常に特殊なボイラが必要とされ、大容量化が難しく、有効利用が進まない一因となっています。この無煙炭を1800℃の高温で燃焼する石炭ガス化炉に使用することにより、コンパクトで高効率な無煙炭の利用システムを構築します。

B-3 乾式ガス精製IGCCの研究開発(DUNCAN Project)
 ガス化炉で生成した石炭ガスから不純物を取り除くガス精製には乾式と湿式があります。現在世界中で湿式が用いられていますが、これを乾式にすると効率で2ポイント高くなり、これはガスタービン入口温度を1500℃から1700℃に上昇するのとほぼ同等の効果となります。このように効率面で優位性を持つ半面、技術的難易度が高くまだ実用化に至っていません。日本独自の技術をベースに乾式ガス精製の実用化研究を行います。
B-4 石炭ガス焚きガスエンジンの研究開発(COUGER Project)
 近年燃料電子制御技術の発達でディーゼルエンジンやガスエンジンの高効率化・低公害化が進んでいますが、燃料油や燃料ガスの価格高騰により、特に産業用としての利用が大いに阻害されています。燃料として安価で豊富な石炭を利用することにより経済性を大いに向上させるとともに、高効率によりCO2の発生も抑えるガスエンジンの開発を目指します。

B-5 天然ガスから石炭ガスへの転換プロジェクト(ALBACORE Project)
 天然ガスはクリーンで扱いやすい良質な燃料ですが、一方資源の偏在、価格の絶え間ない上昇など多くの問題点を抱えています。現在天然ガスしか利用できない既設の設備を石炭ガスに転換可能とすることによりエネルギーセキュリティ上はもとより経済的にも大きなメリットを得る可能性が出てきます。
東京大学駒場Uキャンパス
〒153-8505
東京都目黒区駒場4-6-1 As棟B01号室